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介護・福祉

2023.12.07

自立支援と介護事業経営

  • 地域包括ケアシステム
自立支援と介護事業経営

介護事業を行う上で、「自立支援介護」「介護予防」というのがキーワードになっています。
ちなみに、私たちが普段お付き合いさせていただいている調剤薬局様も、「未病」「セルフメディケーション」というものがキーワードになっています。
これらは今後の薬局・介護事業経営において、とても密接にかかわる重要な考え方だと思っています。

自立支援介護とは

そもそも介護保険法の冒頭に、介護保険の目的について記載があり、その中に「自立した日常生活を営むために給付を行う」と書かれています。

第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。

つまり、事業者は、要介護認定者の方に対して、自立した日常生活が行えるよう、必要なサービスを必要な分だけ提供することが求められている、ということがわかります。
言い換えれば、第三者から見て、ご利用者様本人にとって必要でない過剰なサービスを提供してしまうことは、自立した日常生活を営むことを阻害する要因になり、それは介護保険の目的にそぐわないという認識を持つ必要があります。

具体的なケアの内容やケース、認識においては様々に議論されているので本コラムでは割愛します。

自立支援介護の実現

さて、自立支援を目的にケアに入るというのは、どんな運営をイメージされますでしょうか。
介護サービスには種類があり、サービスや事業所の種類によって対象者や利用目的が分かれます。
基本的にはケアマネジャーが中心となり作成されるケアプランに基づいてサービスは提供されます。
各事業者がご利用者様の現状を各連携先へ共有し、目的とされる自立支援を実現するためのケアサービスを提供する、といったイメージとなります。

私たちCBリサーチは、高齢者住宅を利用した地域連携の推進、事業展開を実現していく中で、訪問介護事業の立上げ・運営のご支援も行っております。
ご利用者様の生活に一番近い立場である訪問介護事業者として外部のケアマネジャーとしっかり連携を行うことで、自立支援介護の実現を推進しています。

つまり、私たちはご支援先の皆様に対して、介護ビジネスだからと言って、訪問介護で一日中ケアに入れさせてもらって介護報酬を得ましょう、と言っているわけでもなく、色んな介護事業を行って自社のサービスをたくさん使ってもらおう、と言っているわけでもありません。当たり前ではありますが、あくまでご利用者様が本当に必要としているケアは何か、どの程度提供するのが自立支援介護となるのか、しっかりとケアマネジャーや連携先と議論を行い、提案を行えるようご支援させていただいております。

しかし中には、「そんな正論だけ言っていては事業が成り立つわけがないだろう」、「ご利用者様の獲得と採用のバランスを取るのは難しいんだ」とご意見いただくことも多くあります。

介護事業の運営

訪問介護ビジネスは、完全出来高制です。
簡単に申し上げると、上記に記載の通り、ご利用者様に必要なサービスを提供している時間帯以外は、生産性のない時間帯となってしまいます。
逆に、サービスが必要な時間帯だけ人員を抱えることができれば、経営が苦しくなることはありません。
そのために、提供するサービスの品質は維持しながら、様々な角度で効率化を行うことで、可能な限り理想的な介護ビジネスを実現しています。
事業のターゲティング、抱える人材の種類や特性、雇用条件、オペレーションに関して、考え方をぶらさず、少しずつ工夫を加えています。

訪問介護に限らず、事業で収益を上げるためには、そもそもどんなビジネスも基本的な考え方としては同じだと思います。要は生産性の無い時間をいかに減らして、適正な人員で運営できる形を作るのか、というのがポイントとなります。また、自社における適正なバランス、生産性の指標を持ち、それを目安に運営を行うこともポイントとなります。

まとめ

保険事業を行う方とお話しすると、そのお考えに大変感銘を受けます。
特に医療に関わる多くの方々は、自身に与えられた使命感を強く持っており、「患者さんのためなら!」という熱い思いを感じています。
目の前の患者様全てのニーズに自社・自身でお応えできるといいのかもしれませんが、地域包括ケアシステムの中での役割を意識し、バランスを考えて運営ができるといいことも多いようです。

CBリサーチのご支援先には、初めて介護事業をされるお客様が多くいらっしゃいます。
未経験であることを不安に思われる事業者様が多いのですが、逆にゼロから事業を組み立てると、意外にしっかり組みあがり、地域連携を取りながら収益を出せている事業者様がほとんどです。

介護ビジネス、高齢者住宅を使った事業展開にご興味のある方は、是非お気軽にCBリサーチへお問い合わせください。ここでは書ききれない様々なケースのご紹介ができると思います。

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東海林 拓

このコラムを書いたコンサルタント

東海林 拓

東日本で展開する企業で、事業部運営を行い、複数の新規事業の導入・立上げに従事。その後、CBグループへ参画し、東日本で病院・薬局の経営支援を行う。クライアントの収益改善に向け、M&Aサービスはじめ、様々なサービスのご提案・ご提供により新規開拓を実現。

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