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調剤薬局事業の先行き不安と地域活性化に対する想い

在宅患者獲得数が約10倍に!調剤薬局事業の経営にプラスの影響をもたらす高齢者向け住宅をオープン

2022.12.07 

在宅患者獲得数が約10倍に!調剤薬局事業の経営にプラスの影響をもたらす高齢者向け住宅をオープン
合同会社ゆうきVISION

代表社員
宮下 英樹

カテゴリー 高齢者住宅
業種 薬局
エリア 山口県下松市
運営店舗数 3店舗

山口県下松市で調剤薬局を3店舗運営している合同会社ゆうきVISION(山口県下松市)・代表社員の宮下 英樹 様は、下松市内で、2020年9月に高齢者向け住宅「ひよりの郷 中央町」、さらに2022年7月に「ひよりの郷 藤光」をオープンしました。この地域に初となる、介護施設ではない高齢者向けの住まいを立ち上げた宮下様。背景には、主力事業である調剤薬局事業の先行き不安と、新規事業展開に対する前向きな想い、さらに地域の皆さんへの貢献や地域活性化に対する想いがありました。高齢者向け住宅オープンに至った経緯や、そこにかけた想い、今後の展望について、宮下 英樹 様にお話しを伺いました。

課題
  • 診療報酬改定や新型コロナウイルス感染症拡大の影響による、処方箋枚数の減少と売り上げの減少
  • 調剤薬局事業のみの将来に不安を感じ、主力事業以外の収益の柱として新規事業展開の必要がある
導入の
決め手
  • 在宅業務の強化の中で調剤薬局事業とシナジー効果が期待でき、新たな収入源の獲得に繋がること
導入後
  • 高齢者向け住宅の立ち上げにより在宅患者の獲得に繋がり、獲得数は約10倍に増加した
  • 在宅患者の獲得により処方箋枚数の増加と加算の獲得に繋がって、調剤薬局事業とのシナジーを実感している
  • 横のつながりが構築できたことで、持続する地域医療を一緒に作っていけるという実感と手ごたえを感じている

地域で初となる高齢者向け住宅の立ち上げ。
当初は期待の反面、不安も

―高齢者向け住宅の立ち上げに至ったきっかけを教えてください

診療報酬改定や新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により、処方箋枚数の減少ならびに売上の減少が見込まれ、調剤薬局事業のみの将来に不安を感じていました。だからこそ、新規事業展開を視野に入れていました。そんな時、以前からお付き合いがあるCBリサーチのコンサルタントの方から、高齢化社会における新しい住まい事業について、提案を受けたことがきっかけでした。

私が、高齢者向け住宅の立ち上げに興味を持ったポイントは、調剤薬局事業とのシナジー効果が期待できるという点です。調剤薬局事業の経営しか経験したことがない私にとって、新規事業展開は不安であり、同時に胸が高鳴る話でした。どの業界でどんなことをしようか、新規事業展開について漠然とイメージを膨らませていました。そんな時、国が地域包括ケアシステムの実現に向けて、在宅業務の強化に力を入れているなかで、調剤薬局事業とのシナジー効果が期待できるうえ、新たな収益源の獲得にも繋がる話をもらい、期待も膨らみましたね。

―現在、山口県下松市に2棟の高齢者向け住宅をオープンされていますが、1棟目をオープンされた時の気持ちを教えてください

介護業界への参入が初めてだからこそ感じる不安や、投資リスクに対する不安もありました。一方で、私自身まだ見ぬチャレンジ、そして、下松市初となるチャレンジにワクワクもしていました。

1棟目となる「ひよりの郷 中央町」をオープンしたのが2020年9月、60代での新たなチャレンジでした。山口県下松市には、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホーム等、いわゆる介護施設と言われる施設はいくつもありますが、施設ではない高齢者向け住宅は、現在「ひよりの郷 中央町」と「ひよりの郷 藤光」の2棟のみです。そのため、もちろんオープン当初は、まだまだマーケットでは異端児なので、不安もありましたよ。一方で、まだ、誰もチャレンジしたことがないことにチャレンジすることは、成功への近道だと考えています。周りと同じことをしても、目新しさはありませんよね。今では、思い切ってチャレンジして良かったと感じています。

入居者獲得や資金調達には苦労も。
1棟目の経験を活かし、2棟目は好スタート

―オープンに際し、苦労された点はありましたか?

これまでの調剤薬局経営のなかで、地域のケアマネージャーやソーシャルワーカーと、積極的に繋がりを持って動いてきたわけではなかったので、オープン当初は入居者の獲得に苦労しました。私自身、営業周りもしましたよ。また、当社はもちろんのこと、同じ事業を近隣でやっている法人がなく、、金融機関から融資を受けることにも苦労はありましたね。

―1棟目と2棟目では、苦労されたポイントやレベルに変化がありましたか?

変化はありました。全く違いましたね。やはり1棟目は初めてということもあり、入居者を獲得するにしても、融資を受けるにしても、様々な苦労がありました。

一方で、2棟目オープン時、入居者獲得については、1棟目の入居者を募集した際に築いた地域の繋がりがあったことで、苦労はありませんでした。

2棟目をオープンして約3ヵ月が経ちましたが、想定よりも順調に入居者は獲得できています。オープンして半年で、入居者が9割を超える見込みです。下松市の皆さんにも「ひよりの郷」を認識いただけたこと、ブランディングできたことも大きかったですね。

また、融資についても、1棟目での実績もあったので、特にハードルなく受けることができました。

調剤薬局事業とのシナジー効果が高い高齢者向け住宅。
在宅患者獲得数は約10倍に増加

―期待されていた調剤薬局事業とのシナジー効果は得られましたか?

高齢者向け住宅は、調剤薬局事業とのシナジー効果が非常に高い事業だと感じています。
地域包括ケアシステムの構築に向けて、調剤薬局には在宅業務の強化が求められています。一方で、これまで、地域医療の横と横との繋がりを築けていないと、なかなかすぐには在宅患者を獲得することは難しいですよね。

そこでポイントになるのが、高齢者向け住宅です。
私たち調剤薬局が、地域包括ケアシステムの中心となる高齢者向けの住まいを立ち上げることにより、調剤薬局事業における在宅患者の獲得に繋がります。在宅業務強化に向けて走り出した2016年、当時、在宅患者は法人全体でも3名程度でした。一方で、高齢者向け住宅を2棟立ち上げた現在は、約30名の在宅患者がいます。ここに高いシナジー効果を感じています。
さらに、地域の病院やクリニック、介護施設、訪問介護・看護サービス等、地域包括ケアシステムを支える他サービスとの繋がりを持って、持続する地域医療をともに作っていけることも大きな魅力の一つです。

―オープン前に抱えていた不安や課題は解消されましたか?

調剤薬局事業については在宅患者の獲得により、処方箋枚数の増加と加算の獲得に繋がっています。
また、高齢者向け住宅については、1棟目をオープンしてから約2年、2棟目も順調に経営ができており、新たな収益柱としての期待が持てています。

地域包括ケアシステムに向けた第一歩を踏み出せたことも、嬉しく思っています。

地域包括ケアシステム実現に向けた
地域連携の輪を「ひよりの郷」から

―今後、「ひよりの郷 中央町」「ひよりの郷 藤光」を、地域にとってどのような場所にしていきたいですか?

下松市の地域の皆さんにとって、「ご家族の暮らしを安心してお任せいただけるような第二の住まい」として成長していきたいです。

高齢者向け住宅は、施設ではなくあくまで住宅なので出入りも自由です。駐車場も設けているので、ご家族の方にも頻繁にお立ち寄りいただき、一緒に散歩に行ったり、食事に行ったり、買い物に行ったり、一緒の時間を過ごしていただきたいです。

―今後の展望について教えてください

現在、3棟目のオープンに向けて、下松市周辺で準備を進めています。

高齢者向け住宅は、まずは5棟目までを目標に拡大したいですし、デイサービスや給食事業の展開も視野に入れていきたいと考えています。さらに、在宅業務専門の調剤薬局や介護用品・OTC等物販販売についても検討していきたいです。
これからも、下松市の地域包括ケアシステム実現に向けて、当社から地域連携の輪を広げていきたいです。

田中 隆暁

担当コンサルタントからのコメント

田中 隆暁

下松市でなくてはならない、地域包括ケア推進企業へ

オープン当初は、高齢者住宅を認知して下さるための営業活動、介護職員の組織体制構築や管理に苦労した点もありましたが、今や地域の医療機関や事業所からの認知度は高く、入居問い合わせは常にある状況です。
また、求人に予算をかけずに「ひよりの郷で仕事をしたい!」と採用待ちが発生するほど、やりがいのある仕事環境の構築にも成功していらっしゃいます。

今後は、入居者へ更なるサービスの充実を図るべく、訪問看護や給食事業の展開を図り、より地域でなくてはならない存在へと推進していかれる予定で、一緒に事業構築推進をさせて頂く予定です。

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