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2020.12.24

中小企業の事業再構築に1兆1485億円(第3次補正予算案閣議決定)

  • 戦略コンサルティング
中小企業の事業再構築に1兆1485億円(第3次補正予算案閣議決定)

2020年12月15日に、経産省の令和2年度第3次補正予算案が閣議決定され最大1億円を補助する「事業再構築補助金」が創設されるとのことです。
私どもがご支援しているクライアント企業の多くは中小企業ですので、気になっている方も多いと伺っています。予算案成立前なので、まだ変更の可能性があるようですが、現時点で発表されている内容はどういったものでしょうか。

思い切った事業再構築を支援

補助金のPR資料や、中小企業庁のコメントのなかでも思い切った事業再構築 このキーワードが繰り返し使われています。

出典:経済産業省 中小企業庁 – 事業再構築促進事業 【随時更新・補助金】

「事業の再構築に挑戦する皆様へ」
ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための企業の思い切った事業再構築を支援 (パンフレットより抜粋)

具体的にどのような支援になるのでしょうか。

事業目的・概要

  • 中小企業の事業再構築を支援を通して、経済の構造転換を促す
  • そのため、思い切った事業再構築を行う中小企業を支援する
  • 事業再構築とは、規模拡大、新分野展開、業態転換・事業転換等
  • 本事業を通じて中堅企業に成長することを期待している
  • 本事業を通じて海外展開を強化し新規開拓を期待している

注目すべきポイントは事業再構築とはなにか、です。
従業員の人件費や旅費はあくまでも補助対象外。守りというよりも攻め。挑戦を支援するということですね。

出典:中小企業庁 – 令和2年度「中小企業等事業再構築促進事業」に係る資料提供依頼について

ちなみに、その対象要件は以下の通り。

補助対象要件

  1. 申請前の直近6カ月間のうち、売上高が低い3カ月の合計売上高が、コロナ以前の同3カ月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等
  2. 自社の強みや経営資源(ヒト/モノ等)を活かしつつ、経産省が示す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定支援機関等と策定した中小企業等

調剤薬局を経営されている企業では、要件1に該当するケースは多いのではないでしょうか。(直近6か月という期間が、微妙ではありますが、、)
要件2は、申請の手段を示していると言えます。

補助金額・補助率

  • 中小企業(通常枠)100万円以上6,000万円以下 2/3
  • 中小企業(卒業枠)※1 6,000万円超~1億円以下 2/3
  • 中堅企業(通常枠)100万円以上8,000万円以下 1/2(4,000万円超は1/3)
  • 中堅企業(グローバルV字回復枠)※2 8,000万円超~1億円以下 1/2

※1.中小企業(卒業枠):400社限定。
計画期間内に、①組織再編、②新規設備投資、③グローバル展開のいずれかにより、資本金又は従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠。
※2.中堅企業(グローバルV字回復枠):100社限定。
以下の要件を全て満たす中堅企業向けの特別枠。
①直前6カ月間のうち売上高の低い3カ月の合計売上高がコロナ以前の同3カ月の合計売上高と比較して、15%以上減少している中堅企業。
②事業終了後3~5年で、付加価値額又は従業員一人当たり付加価値額の年率5.0%以上増加を達成すること。
③グローバル展開を果たす事業であること。
⇒補助金額は、100万円~1億円とのこと。

少々意訳になるかもしれませんが、まとめると、、、

事業再構築補助金は、コロナ禍の影響からの各企業の現状回復を狙うものではなく、日本経済の構造転換に資する規模拡大、新分野展開、業態転換・事業転換等へ挑戦する企業の支援を狙うものと読み取れます。

幾つかの引用と抜粋を含め記載しましたが、お伝えしなければと思ったのは、この点です。補助金というカタチを通じて、国や社会が中小企業に求めていることの一つ。
それが事業の再構築です。

以下は、パンフレット内で示されている再構築のイメージです。

出典:経済産業省 中小企業庁 – 事業再構築促進事業 【随時更新・補助金】

例示されたのは、小売り、製造、飲食でしたが、医療・介護・福祉業界では、どのような活用が出来そうでしょうか。ぜひイメージして頂ければと思います。
様々な手段が考えられますが、共通するのは事業規模の拡大です。私どものご支援でも、クライアントの事業規模の拡大を目指しています。ご興味があれば、ぜひご相談ください。

今回の補助金は一つのきっかけに過ぎません。
新型コロナウィルス感染症は、誰も予想していませんでした。それでも、第二波、第三波がきている「いま」が現実です。現在のかじ取りをするためには、過去からの延長だけでは、現状維持さえ難しくなります。
企業としてどのような姿を目指すのか、あらためて考える良いタイミングなのかも知れませんね。 

ちなみに、、当社グループも中小企業であり、中堅企業、大企業を目指して変化を重ねています。だからこそ、皆様と同じ視点を持ち一緒に考えることができます。だからこそ、きっとお力になれるものと存じます。

CBリサーチ編集部

このコラムを書いたコンサルタント

CBリサーチ編集部

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