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経営

2020.06.19

将来の薬局店舗のあり方を考える ~MUFG、4割の店舗削減へ~

  • 戦略コンサルティング
将来の薬局店舗のあり方を考える ~MUFG、4割の店舗削減へ~

「薬局業界なのに金融の話しは関係ないのでは…?」
なんて思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

確かに、特性上異なる点はあります。
しかし、個人へのサービスを行うなど共通点もあり他業界だからこそ、
ヒントになる部分もあるのではないでしょうか。

本コラムでは、MUFGの決算説明会の発表を通して薬局経営のヒントを探っていきます。

MUFGが店舗削減計画を発表

三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)は、先月5/20、投資家への決算説明会で2023年までに40%の店舗削減計画(2017年度比)を発表しました。

削減の理由は、店頭での事務処理件数の減少です。
2017年から2019年にかけて20%の減少をしています。
逆に、アプリやインターネットバンキングの利用が、2017年から2019年にかけて35%の増加をしています。

その為、2023年までに40%の店舗削減を行い、経費率の改善を中長期的に行う計画です。
そしてデジタルシフトへの投資をしていくわけです。

薬局ではどうか

薬局としても今回のコロナ禍において、

  • オンラインでの服薬指導が増えた
  • 処方日数が長くなり、延べ患者数が減少した
  • 外来患者の減少により、処方枚数が減少した

という薬局さんが多いのではないでしょうか。
上記のお話を、非常に多くお伺いしました。
(うちは、影響があまりなくて。という社長様もいらっしゃいましたが)
ということは、店頭での患者数が減少しているということですよね。

上記は、コロナによる影響が大きいというところにはなりますが、
そもそも在宅医療へのシフト、外来患者数の減少を考えると将来的にはさらに、店舗での対応数は減少していくのではないでしょうか。

実際に厚労省が出している推計外来患者数を見ると、
平成26年度は約723万人/年
平成29年度は約719万人/年
と減少しております。

逆に、在宅医療を受けた推計外来患者数は、
平成26年度は約15万人/年
平成29年度は約18万人/年
と増加しております。

この推計値と、さらなる在宅医療へのシフトから、店舗での対応数が減少していくものと考えられます。
さらには、現在限定的対応である、オンライン服薬指導も9月には解禁されますね。
より、店頭での患者対応数減少を加速させる施策になるでしょう。

これから生き残っていく企業とは

MUFGの話に戻りますが、MUFGがとる戦略に、3つのポイントがあります。

それは、

  • 合理的である
  • ニーズに対応する
  • 変化に対応する

です。

上記3つを忠実に遂行していくことが、生き残っていく企業ということではないでしょうか。

医療介護福祉業界は、ある意味まだ守られている部分もあるため、
どうしても上記の点に対し、対応が遅い傾向にあります。
ただし、流れは確実にやってきます。

今は、かかりつけ薬剤師・薬局へのシフトだと思いますが、かかりつけに対応しながら、今の時点から、かかりつけの先を見据えたところに、薬局としての店舗のあり方、またお薬を通じて地域社会に貢献することを考えなければなりません。 

ぜひ、貴社の事業戦略のヒントにして頂けますと幸いです。

田中 隆暁

このコラムを書いたコンサルタント

田中 隆暁

社会福祉法人での事務長、介護事業系企業の取締役にて、施設・通所・居宅系と幅広い新規事業の立ち上げ、資金繰りから人事面など総合的な経営改善の実績を持つ。 医療介護福祉業界をより良くしたい想いを胸に、事業展開、事業改善コンサルティングを多数担当。

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