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介護・福祉

2023.06.15

介護職員採用のポイントを改めて考えてみる 採用難をどう改善!?

  • 高齢者住宅
介護職員採用のポイントを改めて考えてみる 採用難をどう改善!?

近年、高齢化社会の進展に伴い、介護職員の需要がますます高まっています。介護職員は、高齢者や障害者、病気に苦しむ方々に対して、生活や身体的・精神的な支援を提供する役割を担う大切な仕事です。そのため、介護職員は、人間性が最も求められる仕事とも言えます。
介護職員は、同じ介護業界だけでなく、医療業界も含め、複数の業種・職種と関わるため、それぞれの職種の役割や目的を理解し、連携を取りながら働く必要があります。また、利用者様とそのご家族とのコミュニケーション能力も欠かせません。利用者様には、健康問題や心理的な問題がある場合があります。介護職員は、そうした利用者様の心のケアをすることも大事な役割となっています。

介護事業においては、そこで働く介護職員により、全体のサービスの質も、そして事業の収益さえも大きく左右している状況にあります。
そのためにも、介護事業者は、いい人材を採用し、育てることで組織を大きく、収益を高く、そして地域社会にとってより価値のある存在となっていきます。

しかし、現状では、介護事業を運営されている皆様の悩み事の一番が「職員の採用」と言っても過言ではありません。

介護職員の採用が大変と言われている主な3つの理由

一般的に介護職員の採用は大変、難しい、かつ、その理由は簡単には改善しきれない、と考えられています。
よく挙げられている理由は下記の通りです。

1.給料が安い
厚生労働省 労働統計要覧「職種、性別所定内給与額」によると、
その他の社会福祉専門職業従事者:26.4万円/月
訪問介護従事者:24.5万円/月
介護職員(医療・福祉施設等):23.9万円/月
となっています。
つまり、せっかく資格を取得しても、また専門的な仕事をしていても、なかなか給料が上がらない、好条件のところへの転職も叶いにくい、といった背景があり業界自体から離脱される人も少なくないと考えられます。

2.介護職のニーズが高まっている
一方で日本の高齢化・要介護認定者の増加は進み、介護を必要とする人はどんどん増えています。
補助制度もあり、資格取得者は毎年一定数いますが、1.にも記載したように業界から離脱される方もいます。
厚生労働省 職業安定局「職業安定業務統計」によると、介護関係職種の求人倍率は3.64で、全業種の平均1.03に対して3倍以上の倍率となっています。言い換えれば、単純に他業種の3倍採用が難しい、と言えるかもしれません。
様々な理由から、結果として単純に介護職に就ける方の数が足りていない状況となっています。

3.介護職のネガティブイメージ
そして何より、介護の仕事にはネガティブなイメージがあり、新しく仕事に就こうとする方が増えにくい傾向があります。
きついと言われる主な理由は、夜勤による不規則な生活、身体介護による肉体労働、精神的な疲労などがあげられます。

視点を変えて採用活動をする

そもそも普段の採用活動が、欠員を埋めるためだけのものになっていませんか?
本来は、「法人の理念」「事業所の運営方針」があり、そういった考えに合う人材を採用しようとするはずです。
また、ビジネスである以上、適切な人件費率、採用コストもあるはずです。

今一度立ち返って、ペルソナ(採用したい人物像)を設定したうえで、採用戦略を考えてみませんか?

本来求人を出すべき媒体は何か、何をPRしてどんな表現をすれば求職者の心に刺さるのか、ペルソナの行動や思考を想像すればきっと見えてくるはずです。
成功確率の高い求人票を作り、仕切りなおすことで、結果的に事業運営にも大きなプラスの効果をもたらします。
当たり前のことですが、いい採用が実現することは、企業経営においていい循環を、いい運営をする上で最も重要なポイントとも言えます。
逆にここにコミットできない経営者は、経営を放棄しているといっても過言ではないと思います。

介護職員の採用における3つの課題を現場から改善する

単に給料を上げてしまえば当然収益を圧迫してしまいます。
ただ、少しでも給与原資を捻出するための工夫は本当にできていますか?

①無駄の削減
本当に徹底できていますでしょうか。現場のスタッフにも意識させることができていますか?
社長だけが苦しい思いをしても販管費は圧縮できません。
経費削減は小さなことの積み重ねです。全員で心掛けて“あらゆる”無駄を徹底的に省きましょう。
単なる節約だけでなく、時間も資産であり、無駄な時間を減らして、生産性のある時間に充てたり、顧客満足につながる仕事に切り替えることで結果として収益に跳ね返ってきます。

②効率化の推進
粗利の高い仕事ができていますか?生産性は意識できていますか?
介護サービスはボランティアではありません。
“単位”や“加算”という言葉に置き換えられていますが、それは売上や利益のことです。
本来の国が考える形で仕事ができれば適切な収益が得られると考えられているのがこの事業のはずです。
古い慣習、先入観は捨てて、今一度業務の見直しをしてみてはどうでしょうか。
もしかすると新規採用せず、サ―ビスの質を下げず、運営・収益構造の改善ができるかもしれません。

もし、このような取り組みが叶うなら、職員の給与原資を自力で作り出し、待遇改善へつなげることができるはずです。
それだけでなく、新しい働き手を作り出し、地域の人手不足さえも改善させる足掛かりになるかもしれません。

無茶をして、お金を生み出せというのではなく、単価や客数とターゲットをコントロールして、バランスよく“攻めながら創り出す”ことが大切です。

まとめ

介護職員の採用に近道はありませんが、ただ、強いて“コツがある”というなら、立ち上げ時のオーナーの想いまで立ち返り、現場から改善していくことで、アピールポイントを作り出すことにあります。

それにより、
・条件を一定水準まで向上させながら、
・考えを共有できる人材に刺さる求人広告を打ち、
・多角的な目線での採用基準で採用する。

というものと考えています。

職員の採用で悩まれている経営者の皆さん。
あきらめないでください。
きっと改善できる部分はあるはずです。

介護事業への新規着手、さらなる展開に関心はあるものの、職員の確保・採用がネックで踏み出せない方は、是非一度私たちが構築しているモデルの話を聞いてみませんか?
一緒に業界の常識を打ち破り、今後さらに高まる高齢者・要介護認定者の需要にお応えしていきましょう!

東海林 拓

このコラムを書いたコンサルタント

東海林 拓

東日本で展開する企業で、事業部運営を行い、複数の新規事業の導入・立上げに従事。その後、CBグループへ参画し、東日本で病院・薬局の経営支援を行う。クライアントの収益改善に向け、M&Aサービスはじめ、様々なサービスのご提案・ご提供により新規開拓を実現。

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