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介護・福祉

2025.02.07

最悪指定取り消しの可能性も…運営指導の流れについて解説!(訪問介護編)

  • 戦略コンサルティング
最悪指定取り消しの可能性も…運営指導の流れについて解説!(訪問介護編)

訪問介護事業所としてどのような運営をすれば返戻や監査にならないか、いくつかのポイントに分けて解説します。

運営指導(旧 実地指導)の意味とその目的

運営指導(旧 実地指導)とは?

運営指導(旧 実地指導)とは、行政の担当者が介護事業所を訪問し、サービスの質の確保や保険給付の適正化を目的とした「指導」を行うことです。

皆さんに聞き馴染みがあるのは実地指導ではないでしょうか?
もともとは実地指導と呼ばれていましたが、令和4年度から「運営指導」へ名称が変更されました。

指導を管理する地方自治体は、運営指導を通じて介護保険施設等が適切なサービスを提供できるように支援し、介護給付等対象サービスの取り扱いや介護報酬の請求に関する情報の周知を図ります。

運営指導の目的は?

運営指導は、地方自治体が担当する「行政指導」という立場から、介護事業所が適正にサービスを提供しているかを確認・支援することを目的としています。

介護保険法は3年に1度の頻度で改定がありますが、その制度は年々細分化され、複雑さを増しています。

「指導」と聞くと不安になる気持ちもあると思いますが、確認項目については「介護保険施設等運営指導マニュアル」が厚生労働省から発表されており、事前に準備できるように内容が統一されています。

出典:厚生労働省 介護保険施設等運営指導マニュアル

「運営指導」と「監査」の違い

よく「今度監査が来ることになった」と伺うことがあります。
状況にもよりますが、監査と運営指導を混同している方が多い印象です。

具体的に、監査では、人員基準や設備基準及び運営基準等の指定基準違反であると認められる場合、またはその疑いがあると認められる場合に、保険給付の適正化、事業所体制の適正な整備・運用のために適切な措置を行います。
その結果として、改善勧告、改善命令、指定の効力停止、指定の取消しなどの行政処分が行われます。

運営指導の過程で、法令違反や不正等が明らかである場合はもとより、その「疑い」がある場合でも、事業所への立ち入り権限を持つ監査へと移行されることになります。
監査にならないためにも日頃から適正な事業運営を心がけましょう。

出典:厚生労働省 都道府県・市町村が実施する指導及び監査の流れ

運営指導の流れ

運営指導の通知~準備

一般的な運営指導の流れは、

①通知文が届く
 主に1ヶ月~1ヶ月半前に届くことが多いです。
 運営指導の日程や当日の流れ、事前提出書類の期限と内容、誰が何名来るのかなど、様々な情報が記載されています。

②事前提出書類の提出
 主に運営指導の2週間前までに提出することが多いです。
 提出書類として多いのは、「勤務形態一覧表」「利用者の一覧表」「自己点検表」等。

➂運営指導当日

という流れになるケースが多いです。

令和6年の報酬改定によって必須となった取り組み

令和6年の報酬改定によって必須となった取り組みの中でも、重要なものは

・高齢者虐待防止委員会の開催
 運営形態によりますが3ヶ月から6ヶ月に1回開催。
 また、開催した議事録を残すことが必要。

・業務継続計画の策定
 自然災害や感染症蔓延の際に、どのように事業を継続していくかの策定。

があります。
上記2つについては、対応していないことで1%の減算となってしまう項目となります。

日頃から情報収集を進め、知識をアップデートし、運営指導の通知が来たからといって慌てなくてもいい体制を作りましょう。

運営指導の日程が決まる前から「自己点検」に取り組もう

運営指導を乗り切るには日頃からの取り組みが大切

各自治体(主に都道府県)のホームページにアップされている「自己点検表(自主点検表)」をもとに、自分たちが運営している事業について振り返りをすることが大切です。半年から、最低でも1年に1度は点検をするのが良いでしょう。
報酬改定で今までは経過措置だったものが、対応をしないと減算となる、というものも出てきました。

最後に

日頃の事業運営で業務に忙殺されてしまい、なかなか指導の対策まで手が回らない、という会社や事業所は多いです。
細かな改定や新しい取り組みなどが多い業界でもあるので、日頃からの情報収集は難しいものがあるでしょう。
弊社コンサルタントがお手伝いできる部分もあると思いますので、何かございましたらご連絡いただければと思います。

染野 順平

このコラムを書いたコンサルタント

染野 順平

大学卒業後、有料老人ホームに入社。現場業務から相談員を経て、介護施設の施設長として従事。入居率70%の施設を半年で95%に向上させる。他に人材採用、入居者獲得営業など幅広い業務を行う。現在は経験を生かし、事業所立ち上げから実務までの業務支援に従事。

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