高齢者住宅
2021.06.25
高齢者住宅事業におけるESG投資
今まで弊社がご提案する高齢者住宅事業にご賛同いただいたお客様は、この事業が地域、医療介護業界へ貢献するという社会的意義に惹かれて開業を決意された方が多いと感じます。
ずっと医療介護業界にいらっしゃる方でしたら、この社会的意義を大事にする考え方を意外に思われないかもしれません。
前職では主に不動産投資に携わり、リスク・リターンの2軸からしか投資を見ていなかった担当が気づいた、社会的意義の観点から投資を評価すべきポイントを解説いたします。
ESG投資の考え方とは
担当が気づいた考え方とは、リターンを犠牲にして社会的意義を重視することではなく、社会的インパクトを軸に事業を評価し、長期的に価値を生み出せ資産に投資するという考え方です。
「ESG投資」はまさに社会的インパクトを重視する投資の考え方です。ESG投資とは、Environment(環境)、Society(社会)、Governance(ガバナンス)という、非財務情報から投資対象を選定して投資を行うことです。このようなESG投資の観点から見て、高齢者住宅事業は優れている投資です。
高齢者住宅事業における不動産投資のリスク
高齢者住宅事業は、住宅を作ることから不動産投資の印象が強いです。不動産と聞くと、投資どころか、超低金利の住宅ローンを利用できるにも関わらず自宅の購入さえ躊躇する人が多いです。
その理由としては、 日本では人口減少が進み、将来不動産の価値が落ちるという心配をしている人が多いことがよく挙げられています。確かに、人口減少は不動産の資産価値の下落をもたらす大きな要素です。しかし、以前の投稿(下記)でも紹介したように、少子高齢化社会で今までと違う居住ニーズが生まれていることも否定できません。
過去の投稿
高齢者住宅は「健康性・快適性の向上」「地域社会・経済への寄与」「少子高齢化への対応」の面で社会的インパクトがあり、少子高齢化の新しい居住ニーズに対応していることから、長期に渡って価値を生み出せることを期待できます。人口減少の中でも資産価値が落ちにくいと考えられています。
ハイブリッド型投資
さらに、高齢者住宅事業は「不動産投資」だけではなく、「不動産投資」+「事業投資」のハイブリッド型投資です。
不動産リスクと事業リスクが相互に補完され、2階建ての収入を得られることから、一般的な不動産投資と比べてより高い収益、不動産収入を得られ、他の事業と比べてより安定的収益を見込めることは高齢者住宅事業の特徴です。このハイブリッド型の事業特徴を最大限に活かすのは、弊社が現在行っている高齢者住宅を中心とした地域包括ケアシステムの構築という提案です。
今後の展望
以上分析したように高齢者住宅を含むヘルスケア不動産事業への投資はESG投資の考え方に一致し、収益モデル自体も魅力的であることから、近年資本市場でも注目されています。
ESG投資の考え方がさらに普及し、今後高齢者住宅の物件自体だけではなく、それを運営するオペレーター企業もESG要素を考慮した企業として市場に評価され、融資や投資対象になりやすいことを期待できると思います。
私たちCBリサーチは、医療・介護・福祉業界に特化した「戦略コンサルタント」として「地域包括ケアシステム」に沿った戦略構築と実行支援を行い、お客様の未来を共創する会社です。様々な新規事業展開をワンストップで共創します。