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2020.07.24

地域密着型で成功するヒントを探る ~北海道で店舗シェア1位のセイコーマート~

  • 戦略コンサルティング
地域密着型で成功するヒントを探る ~北海道で店舗シェア1位のセイコーマート~

何かと比較されやすい薬局とコンビニ業界ですが、薬局が地域に必要とされ、勝ち抜く企業になるにはどうすべきかを、コンビニ業界での成功事例から、今日はヒントを探りたいと思います。

コンビニ業界の市場規模

現在、コンビニ業界は市場規模が約12兆円です。
そのうち、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンで約10.5兆円を占め、3社が約9割を占めています。
寡占化が進んでいますね。

一方、残りの市場の約1割の中には北海道を主拠点とする、セイコーマートというコンビニがあります。
西日本の方はご存知ない方が多いかもしれません。
そのセイコーマートは北海道では、店舗数のシェアが1位です。
(セブンイレブンが追い上げてきておりますが)

さて、どのような戦略によってセイコーマートは北海道でシェアを掴めているのでしょうか。

北海道でシェアを占めるセイコーマートの戦略

その戦略とは下記2点です。

  • 北海道という地域に特化した徹底的なニッチャー戦略
  • 小売だけでなく生産から物流までを構築した垂直型多角化戦略

北海道という地域に特化したニッチャー戦略

ニッチャーとは、市場は小さいが、特定の領域で独自の地位を築いている企業を言います。
ニッチャー戦略の特徴は、大手(リーダー企業)とは戦わない戦略を取っていくことです。

セイコーマートは、大手3社を目指すのではなく、北海道という地域に特化し、独自性(地産地消やプライベートブランド商品)を徹底的に磨き上げる戦略を取ったことが北海道という地域でシェアを有し、成功している要因です。

例えば、北海道産のトマトを使った酎ハイを販売したり、ホットシェフと呼ばれる、店内調理のお弁当があったりです。そのようなラインナップを、数多く揃えられております。大手には、マネしにくいですよね。

小売だけでなく生産から物流までを構築した垂直型多角化戦略

セイコーマートは店舗で販売する小売業からスタートしましたが、現在は小売業という「川下」だけを手掛けている訳ではなく、「川上」である製造から「川中」の物流まで手掛ける垂直型多角化戦略を行っています。

その川上から川下に至るすべてを、自社のグループで行うことにより、流通における最適化(サプライチェーンマネジメント)を図ることができ、お客さまへ安価で安定的に商品を届けることを実現しています。

例えば、なんとパスタが110円で販売されていたりします。すごい企業努力ですよね。

事例から学ぶ、薬局が地域で生き残っていくためには

上記2点は、薬局が地域で生き残っていくために、
「今後の戦略をどうすべきか」「どう舵をとっていくべきか」
を考える際に、参考になるものではないでしょうか。

薬局の店舗を増やし、大手に近づいていく戦略を取るというのも一つですが、展開している、地域包括ケアシステム内でシェアを押さえるために、薬局として、いや地域の企業として何をしていくべきか、考えさせられるものではないでしょうか。

セイコーマートは、時代と未来を見据え変化にチャレンジすることが、企業姿勢であると、ホームページに記載されています。
上記2つのポイントを実現していくためには、「変化にチャレンジ」を実践されてきたことが、一番の成功要因でしょう。

薬局業界も大きな変化が必要な時期だと意識されていらっしゃる方は、多いかと思います。
結果として、2019年度の「日本版顧客満足度指数」のコンビニエンスストア部門でセイコーマートが4年連続の1位に選ばれています。
地域の方に必要とされ、満足して頂くためにどうしていくべきか、ぜひ、貴社の事業戦略のヒントにして頂けますと幸いです。

田中 隆暁

このコラムを書いたコンサルタント

田中 隆暁

社会福祉法人での事務長、介護事業系企業の取締役にて、施設・通所・居宅系と幅広い新規事業の立ち上げ、資金繰りから人事面など総合的な経営改善の実績を持つ。 医療介護福祉業界をより良くしたい想いを胸に、事業展開、事業改善コンサルティングを多数担当。

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